ボルトとナットの違いとは?ねじ業界20年の私が説明します
最近、うちの会社にインターンシップという制度で、5日間ほど、高校生が実習に来ました。
総務からは、仕事の実習ということを聞いていたので、簡単は作業をしてもらおうと思い、『M12のナットをそこの棚から取って来て』と言いました。
そしたら、高校生はそもそもナットとボルトの区別がつかず、穴が開いてる方が、ナットなのか?棒みたいな方がナットなのか分からなくて、しどろもどろでした。
先週もホームセンターで主婦らしい方が、店員にボルトってどれ?という感じで訊いていた場面に遭遇しました。
なんだ!?ナットとボルトって世間的には常識じゃないんだと改めて分かりました。
今回は、ボルトとナットの違いについて話してみます。
目次
ボルトとナットの違いとは
ボルトは、ネジが外側の表面についてるものを指します。
ナットは、ネジが内側の表面についてるものを指します。
ボルトがこちらです!

ナットがこちらです!

上記の画像のように、外側にねじがあるものがボルトです。
内側にねじがあるものがナットです。
ネジとは?
ボルト、ナットはそれぞれにネジがついています。
そもそもネジってなんでしょうかね?
下の写真を見てください。
赤枠にギザギザがあります。あの部分がネジです。
この画像は、ナットです。

それでは、もう少し詳しくみていきましょう!
ボルトってなに?
ボルトとは、モノとモノを締め付けてつなげる部品で、ネジが外側に付いていているものです。これは、いわゆる雄ねじ(おねじ)といわれています。

ボルトの種類
ボルトと言っても、たくさんの種類があります。- 六角ボルト
- 六角穴付ボルト
- アイボルト
- チョウボルト
六角ボルトってどんなボルト?

どこにでもある最もポピュラーなボルトです。
建築関係や自動車部品や産業機械などにも使われるボルトです。
ホームセンターなどにセット販売されていますね。
付加価値はほとんどないので、タイや台湾などで安く作られてます。
六角穴付ボルトとは?

六角ボルトに似ていますが、頭に穴が開いてます。
穴は、六角にあいていて、そこに六角レンチを入れて締め込みます。
キャップスクリューとも呼ばれてます。
きつく締め付ける時に使用頻度が高いボルトです。
ちなみに六角レンチとは、こんなもの。

アイボルトとは

アイボルトは頭部にリングがついています。
一般家庭には馴染みが無いですが、機械などの取り付けて、機械を吊ったりする、吊り具に利用されます。
チョウボルトって何?

チョウボルトは、蝶ボルトと書きます。形が蝶に似てるからです。
この用途は、手で締められる利点があります。六角ボルトや六角穴付きボルトは、スパナや六角レンチが必要ですが、このボルトは不要です。
ボルトと小ねじのちがいとは
小ねじもボルトなので、両方ボルトです。
用途的に、小ねじは字のごとく、小さいボルトで総称ですね。
普通のボルトは割と大きいものを指すようです。
ナットとは?
ナットとは、モノとモノを締め付けてつなげる部品で、ねじが内側に付いていているものです。これは、いわゆる雌ねじ(めねじ)といわれています。
ナットの種類
ナットと言っても、たくさんの種類があります。- 六角ナット
- フランジナット
- 六角袋ナットとは?
主要ナットの種類は以上の3つです。それぞれの詳細を説明するので、1つ1つチェックしてみてください。
六角ナットとは

ナット類の中で一番ポピュラーなナットですね。
自動車から船舶関係や産業機械あらゆる締結したい時(部品と部品をつなげたいとき)
に使用されます。
ホームセンターでも普通に売ってますね。タイ製や中国製が多いですね。
フランジナットとは?
六角ナットの次にポピュラーなナットです。六角ナットに帽子のつばのようなものがついています。
特徴は、六角ナットと比べて座面(下側)の面積が大きいので、締め付けるときに
六角ナットより安定していること。
なんか見た目も六角ナットより、カッコいいと思います。
六角袋ナットとは?

六角袋ナットは六角ナットの片側が閉じています。
ネジ穴が貫通していないナットです。
トイレや自転車や自動車のタイヤのホイールにもよく使用されてます。
用途は、見た目がきれいなことと、相手側(ボルト)を組み付けたとき、ボルトの頭が
隠れるので、安全なことですね。
ネジの転造について知りたい方は参考にどうぞ!
転造タップで加工時の下穴径と切削タップ加工時の下穴径の違いとは?
ボルトやナットは何でできてるの?
ボルトやナットは、ほとんど、鋼材(鉄)でできています。一口に鉄と言っても、いろんな種類がありあます。柔らかい鉄や硬い鉄などさまざまです。
メッキをするものや、しないものなど様々です。
ボルトとナットを締め付けるときに同じ規格でないと締まりません。
規格は日本工業規格で定められていて、M4、M5、M6・・・など規格があります。
規格の話をすると長いのでまた、今度にしましょう!
ボルトとネジの違いとは
よく訊かれるのが、ボルトとネジの違いとは何ですか?という質問です。答えは、ボルトとネジには違いがありません。
ネジという総称の中に、ボルトやナットがあるという解釈です。
だから、ネジというグループの中にボルトとナットがあるというイメージです。
これまで書いたきたことをまとめて説明してある動画がありました。
より理解が進むと思いますので、よかったらご覧ください。
まとめ
いかがだったでしょうか?
この記事を読まれてるということは、ボルトとナットがよく分からなかったということですよね。
今はボルトとナットの区別はついたでしょうか?
内側にネジがあるものをナット。
外側にネジがあるものをボルト。と言います。
簡単なのでこれでバッチリです。
もう安心して、ホームセンターで店員さんに訊かなくても探せますよ。